「帰化植物とは自然の営力によらず、人為的営力によって、意識的または無意識的に移入された外来植物が野生の状態で見いだされるものをいう」(長田,1972)と定義づけられている。
日本へ入ってきた帰化植物を歴史的にみると3種類ある。弥生時代にイネの随伴(ずいはん)植物として入ってきた植物群(史前(しぜん)帰化植物)-エノコログサ、ミチヤナギ、イヌタデ、トキンソウ、カヤツリグサ、スベリヒユ、アキノノゲシなど。
また、歴史時代になって、各種の作物が中国大陸やヨーロッパから入ってきたときの随伴植物群(旧帰化植物)-スイバ、ミミナグサ、ハコベ、ナズナ、タネツケバナ、ミヤコグサ、カタバミ、ヤエムグラ、スズメノテッポウなど。
そして、記録によって、外来のものであることが確かめられている江戸時代の末期から現代にかけて入ってきた植物群(新帰化植物)。
この3つに分けられる。
ここでは新帰化植物について扱うことにする。
身近な自然である庭、空き地、路傍、田畑のまわりなどを緑に彩る雑草の多くは帰化植物である。また、耕作地が放棄されたり、裸地がつくられたとき、最初に侵入して群落をつくるヒメジョオン、ハルジオン、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、トゲチシャ、アンチマツヨイグサ、セイタカアワダチソウも帰化植物である。