水田は田植えを境にして、スズメノテッポウ群落は姿を消し、オモダカ-コナギ群落に変わっていく。コナギ、タマガヤツリ、イヌホタルイなどの夏季水田雑草は、6月ごろ田植えが終わると、イネとともに生育し、イネより早く開花結実して、翌春まで種子や塊茎(かいけい)の形で冬越しをする。
水田の植物は、水中で生活するシャジクモ、ミズハコベ、ミズオオバコ、アオミドロ、水上に浮葉するウキクサ、アオウキクサ。イネと同じく水中下の土壌に根を張るオモダカ、ウリカワ、ヘラオモダカ、コナギ、水際の畔(あぜ)に生育するスギナ、キカシグサ、アゼナ、チョウジタデ、クサネムなどで構成されている。
水田はイネが生育に適するように、一定量の水を一定期間ためておき、除草や肥料をあたえるなど、どの地域でも同じ環境が人間の手でつくられている。
そのため、群落の構成種には、地域固有の植物は比較的少ない。