(1) ケヤキ群落

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ケヤキ群落は、夏緑広葉樹林帯の低山帯下部に生育する。自然植生としてのケヤキ群落は、山すそや河岸の急斜面に発達し、崩壊性の強い急傾斜地に見られ、立地を保全する働きをしている。

 ケヤキは成長が早く、樹高15m以上、胸高直径50cm以上の樹木が多い。ケヤキ群落は、人間の生活域に近く存在することから、構成種は目に触れやすいヤマブキ、アケビ、エノキ、ノイバラ、ヤブラン、コナラなどである。

 階層構造(葉のある部分の垂直的な分布を区分したもの:森林の場合は高木層、亜高木層、低木層、草本層に分ける)をみると、四階層に分かれる。低木層が貧弱なのは、ケヤキ群落の生育地が崩壊性の強い立地条件のためと考えられる。

 河岸のケヤキ群落にはオニグルミ、ネムノキ、クマミズキなどの樹木が見られる。市内のケヤキ群落は、まとまった広い範囲では分布をしていない。限られた帯状の狭い範囲に点在している。


図6-17 ケヤキ群落の断面模式図


表6-16 ケヤキ群落


写真6-133 ケヤキの花(富士ノ塔)