植林地は、山地の斜面を中心に分布している。アカマツは乾燥した肥料分の少ない土地がほんらいの生育地であることから、カラマツと同じく造林樹林として活用された。植林された林分(森林の様相がほぼ一様で、まわりの植生と区分できる森林)は、夏緑広葉樹林の下部に位置する。これらの植林地は、アカマツの自然林や二次林の分布域と重なっている。
市域のアカマツ群落は、三登(みと)山、大峰山、富士ノ塔、旭山、茶臼(ちゃうす)山、篠(しの)山、妙徳山、須釜地区などに広く分布している。地質的には、裾花凝灰(すそばなぎょうかい)岩層の分布と重なる地域に多く発達している。
自然林の様相を示しているのは、裾花凝灰岩が露出している中尾山、新橋(両郡橋)、小市、大峰山の物見岩等などである。
群落構造を旭山、大峰山の成木した群落で見ると、亜高木層、低木層が貧弱である。草本層は陽性植物が多い。林床にはオヤマボクチ、ニシキギ、イチヤクソウ、ヒカゲスゲ、ワラビに交じって、アカマツの芽生えが見られる。アカマツは1度伐採されると、萌芽・再生ができないので、種子からの成長となる。