市域のコメツガの分布は、飯縄山の標高1,600~1,750mの地点の亜高山帯である。
群落の成立している場所は、急斜面で林床に岩石が露出しており、土壌が薄い。
風当たりが強いため、コメツガの樹高は6~8mぐらいで変形しているものが多い。雨水は流れてしまい、養分も蓄積できず、乾燥化しやすいが、積雪や霧が補っている。
構成種には、コメツガ、ミネカエデ、コヨウラクツツジ、ミツバオウレンなどとアカミノイヌツゲ、ツルツゲ、ミヤマシグレの常緑木本植物が多く見られる。
階層構造は、きびしい環境条件であるため、亜高木のコメツガと低木、草本の三階層と単純化している。場所によっては、林床にシナノザサが密生しているところもある。