飯縄山の低木林のダケカンバ群落より上部には、高茎草本(こうけいそうほん)群落であるシナノザサ-ヒゲノガリヤス群落が発達している。
雪崩や絶えず強風にさらされている場所では、2m以上の樹木は生育していない。群落は、草丈が1m以上の高茎草本層と下部に0.5mの草本層がある。
群落の構成種に、シナノザサ、クガイソウ、オヤマリンドウ、シモツケソウ、ハクサンフウロ、タムラソウ、シシウド、ヒゲノガリヤスなどの草本に、レンゲツツジ、ウラジロハナヒリノキの木本がある。
風衝地(ふうしょうち)(絶えず強風にさらされて、冬期積雪の少ない場所)でも、わずかな環境の違いで種類も違ってくる。土壌のよい場所には、シナノザサが優占する群落が発達している。構成種は、クガイソウ、クロヅル、ミツバオウレン、シラタマノキ、オオバスノキなどで、種類数は少ない。
ややへこんだところで、雨水がたまりやすい場所には、イワノガリヤス、キンミズヒキ、イタドリ、ミノボロスゲが群生している。
風当たりが強く、乾燥しやすい場所には、ヒゲノガリヤスが群生する。また、岩石が露出している日当たりのよいところには、ミネヤナギ、ハイイヌツゲ、オトギリソウ、トダシバなどが生育している。