市域のスギの植林地は、平地や山地の斜面の下部、沢筋の低地、くぼみ状の傾斜地に帯状に分布している。スギ植林地内は、樹間が密閉されているため、湿性気味である。
林床には、日陰でも生育できるオシダ、クジャクシダ、キツリフネ、ニワトコ、フタリシズカ、ミズヒキなどの植物が見られる。
スギ植林の構造は、高木層のスギの植被率が70~90%で林床は暗い。植栽された年代によって樹高は異なるが、成長のよい立地では、25m以上におよぶ樹木もある。
高木層は、ほとんどがスギによって構成されている。亜高木層は、ダンコウバイ、ウワミズザクラ、ケヤキ、ハリギリ、ヤマグワなどで、種類が少ない。
低木層は、タラノキ、ヤマウルシ、クマイチゴ、イボタノキなどである。
最近は、輸入材の増加や人手不足もあって、管理の行きとどかない放置された植林が多い。
スギは間伐がおこなわれないと、根を十分に張ることができず、台風や豪雨にあうと、根こそぎ倒れて植林が破壊されてしまう。