(1) 人工林と天然林

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長野盆地を囲んで、山林・原野が広くおおっている。これらの林野総面積は長野市の47%を占め、しかも、その大半は森林である。スギやカラマツ林をはじめ、アカマツ林も一部は人が植えたものであり、森林の半分はこのような人工林から成りたっている。市内の人工林は、若穂地区から松代地区の千曲川右岸の低山地、および犀川の右岸の地域にスギ林が多い。飯縄山麓(いいづなさんろく)や東部山地などの高い標高の地域は、カラマツの植林が目立っている。

 林業関係では、人が植えた人工林以外、自然に芽生えたものはすべて天然林と呼ぶ。切り株から芽をだすコナラ、ミズナラ、クヌギ、クリなどの雑木林も天然林に含まれる。いっぽう、森林を広葉樹と針葉樹のどちらが優占するかによって分けると、市の森林面積の37%はクリやケヤキ・ナラ類などの広葉樹林、63%がカラマツやアカマツ・スギなどの針葉樹林となっている。このうちアカマツは、1982年(昭和57)に市内でも発生が確認された松くい虫によって、早期発見による防除対策がとられてはいるが、被害は市内全域に拡大している。


図6-24 長野市の森林面積
(長野県統計書1995より算出)