① カラムシ(茎蒸、イラクサ科、別名マオ真麻)

387 ~ 387

 長野市内でも、山麓の畑の土手に生えている。かつて栽培された生き残りと考えられる。カラムシの布は織り目が密で、上質な布、上布(じょうふ)として尊ばれた。奈良の正倉院宝物の信濃布はカラムシが原料とされ、白布(はくふ)はさらしたもの(晒し布)、麻布(まふ)はさらさないものだという(丸山,1985)。以後、白雪でさらした越後縮(えちごちぢみ)などは最高の品となっている。