長野市でも、果樹の庭木利用は昔から各地でおこなわれていた。とくに、カキやウメは、古い民家にはかならずというほど植栽されていた。このほか、ナツメ、イチジク、ザクロ、アンズ、スモモ、ニワウメ、マルバグミ、スグリなどを食料、漢方薬として植えている家が多い。安茂里はアンズの里として知られ、ほとんどの家に植えられている。
昭和の中期以降になると、これら果樹のほかにリンゴ、ヒメリンゴ、モモ、ビワ、シナノマメガキ、カリン、マルメロ、テウチグルミ、キウィフルーツなど多種の果樹が庭木として使われてきた。さらに、庭の一角にキュウリ、トマト、ナス、ピーマン、オクラなどの野菜を栽培している民家もあり、オクラ、トマト、ニラ、アサツキなどは花園植物の一種として利用しているケースも見られる。
なお、公園にもカキ、ザクロ、ビワ、リンゴ、アンズ、ウメなどと多種の果樹が植栽されている。