当館の資料によると、この庭園は、1965年(昭和40)に重森三玲の手により作庭・完成した枯山水式観賞庭園である。重森は、中根金作らとともに、昭和の名作庭家の一人として全国に数多くの名庭を残している。
約140坪(462m2)という敷地に、海の景を表現した庭である。中央部に山の稜線を思わせる築山(つきやま)を造成し、築山から海に流れだすように出島・州浜が構成されている。
庭の周囲には、丹波鞍馬(くらま)の赤石による州浜を作り、ところどころに青小平石を配し、青棒状石を網代(あじろ)に敷きつめてある。海の白川砂と、老木の北山台杉、苔(こけ)との調和がとれた曲線の美しい庭である。