① 人体の細胞を破壊し、肝臓、腎臓に障害を与え、死をもたらす。特徴があらわれるまでに6時間以上、通常10時間かかる。
・環状ペプチド(アマニチンなど)による中毒で致命的な主な毒キノコ――ドクツルタケ、シロタマゴテングタケ、タマシロオニタケ、フクロツルタケ、コレラタケ(ドクアジロガサ)、ニセクロハツ
・モノメチルヒドラジン(ギロミトリン)による中毒で致命的毒キノコ――シャグマアミガサタケ
② 主に自律神経系に作用する。特徴は食後20分~2時間にあらわれる。
・コプリン(悪酔い)中毒――ホテイシメジ、ヒトヨタケ
・ムスカリン(発汗)中毒――アセタケ類
③ 主に中枢神経に作用する。特徴は食後20分~2時間後にあらわれる。
・イボテン酸-ムッシモール(せん妄:外界に対する意識がにごり、錯覚多く、妄想のあらわれる症状)中毒をおこす主な毒キノコ――テングタケ、ベニテングタケ
・シロシビン-シロシン(幻覚)中毒をおこす主な毒キノコ――ワライタケ、センボンサイギョウガサ、オオシビレタケ、ヒカゲシビレタケ
④ 主に胃腸を刺激する。毒成分の不明なものが多く、特徴は30分~3時間後に始まる。
・症状が嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などをおこす主な毒キノコ――ツキヨタケ、カキシメジ、クサウラベニタケ、ニガクリタケ
⑤ 手足の末端の腫脹(しゅちょう)、壊死(えし)、末梢(まっしょう)神経障害による激痛をもたらす主な毒キノコ――ドクササコ
以上のような毒キノコには、よく似ている食用キノコがある。キノコにくわしい人に教えてもらうのが、キノコ中毒にならないもっともよい方法である。また、キノコの見分け方を書いた本が多く出版されているので、それらを参考にすることもよいだろう。