ヒダナシタケ類は、きわめて形が複雑多様である。一目でキノコと分かるものも多いが、まさかキノコかと見のがされる菌も少なくない。たとえば、主として木材の面に平たく広がるだけでかさを作らない(背着生(はいちゃくせい)という)菌がある。キノコの原始形ともいうべき形である。背着生の菌はしだいに発達し、子実体の一部が木材から離れて棚状~半円形のかさを張りだすようになる(半背着生という)。さらに背着部を捨て、キノコは半円形のかさの部分だけになり、かさは扁平(へんぺい)形、丸山形、馬蹄(ばてい)形などになる。さらにかさと柄とを分け、キノコはからかさ形、じょうご形などに発達する。
食用となるものには、ホウキタケ、ベニナギナタタケ、スリコギタケ、シロソウメンタケ、アンズタケ、ハナビラタケ、コウタケ、ヤマブシタケ、ブナハリタケ、カノシタなどがあり、毒キノコには、ハナホウキタケ、ウスタケなどがある。
サルノコシカケのなかまは、固いので食べられない。その主なものはカワラタケ、ツリガネタケ、ヒトクチタケ、マンネンタケ、ツガサルノコシカケなどである。