トガリネズミやモグラのなかま (食虫目(しょくちゅうもく) トガリネズミ科・モグラ科)

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 食虫目といわれ、昆虫やミミズなどを餌(えさ)にしている。口先がとがり、一見するとネズミに似ているトガリネズミのなかまと、地中で生活するモグラのなかまに分けられる。

 トガリネズミは亜高山帯の森林に生息する。体重4~7gしかなく、哺乳動物のなかでもっとも小型のグループに属する。今回の調査では捕獲できなかったが、標高の高い飯綱高原や保基谷岳付近に生息している可能性がある。

 トガリネズミによく似たジネズミは、飯綱高原や保科沢の上流で確認できた。松代地区でも生息の情報がある。ジネズミとトガリネズミは、トガリネズミの歯の先端が赤いことから容易に区別することができる。

 飯綱高原や保基谷岳の渓流には、カワネズミが生息している。カワネズミの指のあいだには固い毛が多く生えており、それが水かきの役目をして水中をすばやく泳ぐことができる。渓流にすむ魚類や水生昆虫を食べている。

 千曲川や犀川の河川敷、畑地、高原の草原などにはアズマモグラが生息し、穴を掘ったときに出る土を積みあげた「モグラの塚」がいたるところに見られる。

 飯綱高原や信更(しんこう)地区、綿内地区ではヒミズの死体を拾っている。ヒミズは山地の森林や草原にすみ、落ち葉やコケと土のあいだにトンネルを掘って生活する。林内の落ち葉のなかに見られる穴は、ヒミズが餌を求めてあけたものである。


写真7-4 ネズミ型のジネズミ(左)とモグラ型のヒミズ(右)