ニホンザル (霊長目 オナガザル科)

430 ~ 431

世界に250種類以上いるサルのなかまのなかで、もっとも北に分布するサルである。北限のサルとして学術的にも貴重な動物である。本州では、青森県の下北(しもきた)半島まで分布しており、北海道には生息しない。

 ニホンザルは社会構造をもった群れで生活している。ふつう、群れはリーダーの雄ザルのもとに、雌とこどものサルによる中心部、それをとりまく若い雄ザルによる周辺部からできている。また、群れから離れて生活している「離れザル」も存在する。

 木の芽や葉、果実、昆虫などを食べているが、きびしい冬のあいだは木の皮や小枝まで餌にしている。

 長野市では松代町の牧内地区や若穂地区のリンゴ畑で目撃されている(図7-3)。長野市の南東に隣りあう小県郡真田町では、地蔵峠を越えた傍陽(そえひ)地区にニホンザルの群れが生息しており、そこから餌を求めて移動してくるものと思われる。若穂地区ではリンゴの食害も起きておりその対策に苦慮している。


写真7-6 ニホンザル


図7-3 ニホンザルとムササビのなかまの目撃および生活痕跡発見地点の分布