体の形はイヌに似ているが、尾が太く、先の方が白い毛になっている。足跡は、イヌより細長く、ほぼ一直線に並ぶ。雪の上では爪をひいたあとが残るのも特徴である。春、河川敷や草原、林の斜面に掘った巣穴でこどもを育てる。長野市でも平地から山間地まで、市内のいたるところで目撃できる。
キツネは、完全に暗くなってから行動するタヌキと違い、まだ明るいうちや早朝にも行動する。またタヌキより行動範囲が広いため目撃例は多いが、個体数はそれほど多くはないものと思われる。しかし、自然状態ではキツネの餌となるノウサギが、森林開発や山の荒廃でその数を減らすのとともに減少するはずであるが、豊富な残飯やノネズミ駆除にともなう狩猟制限などにより、個体数は保たれているものと思われる。
キツネが残飯に頼っていることは、飯綱高原で拾ったキツネの糞のなかにビニール、布、新聞紙の切れはしや、人間の食べ残しと思われるメロン、スイカ、ブドウの種子が入っていたことからもうかがえる。善光寺付近では残飯を求めて庭先にあらわれたキツネや、ごみかごをあさるキツネが撮影されている。