テン (食肉目 イタチ科)

437 ~ 438

体型はイタチに似ているが、イタチよりかなり大きい。両足をそろえて一足とびに走る独特の足跡と、自分のなわばりの目印として、道ばたの石の上など目立つところにする糞が、生息を知る手がかりとなる。

 食肉目の動物であるが、肉食性のイタチと違い、夏から秋にかけては植物質のものもよく食べる。とくにナナカマドやマタタビの実が好物である。


写真7-17 テン

 テンの夏毛は褐色であるが、冬になると全身黄色の毛でおおわれる「キテン」と、褐色のままでいる「スステン」の二つのタイプがある。

 長野市では周辺の山地で目撃することができた。寄せられた目撃情報もある。そのほとんどが森林のなかでの目撃情報である。

 飯綱高原で拾ったテンの糞の内容物を見ると、小鳥や小動物の毛や骨格、ヤマブドウやマタタビの種子や皮など自然にあるものがほとんどである。このことからテンはキツネやタヌキと違って、人間の生活から一歩離れて生活していることがわかる。