ホンシュウジカは、雌を中心とした群れで生活しており、その点で単独生活者のカモシカと違っている。秋の発情期には、ピューウという呼びあうときの鳴き声が聞かれる。発情期が過ぎると、雄は単独生活に移ることが多いが、雌は若いシカとともに群れ生活をつづける。農耕地につづく低山帯の広葉樹林が生活の場で、カモシカよりは低いところに多いといわれる。
ホンシュウジカは、長野県では、南アルプス、秩父山塊、八ヶ岳から美ヶ原周辺に生息している。
長野市では信更地区で2例、松代地区で1例の目撃情報がある。また、市街地に近い旭山付近でも確認されている(図7-8)。