市街地にある辰巳池と原池の鳥

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ともに市の北東部にあり、周りは住宅地で囲まれている。

 辰巳池は、水鳥公園として最近造りかえられたので、護岸は自然の形の盛り土で整備されている。東南と中央の島の部分には、ヨシが移植されている。池の周りが公園になっていて、一郭に水鳥の観察小屋が建てられている。アヒルが放鳥され、カルガモ、マガモのほかオナガガモまで完全に餌付(えづ)いてしまっている。

 原池は、以前は釣り堀として入場料を取って営業に利用されていたが、現在は池に突きだして建てられた小屋とともに放置されたままになっている。護岸は一部にヨシ原がある。夏のあいだはヒシのような植物が池の全面をおおう。カイツブリが四季をとおして比較的多く見られるのが特徴である。また、県内では生息個体数の少ないアメリカヒドリ、トモエガモ、ヨシガモを見ることができた点が注目される。

 市街地にあるこれらの池は、全面結氷することがあるがすぐに解ける。池の規模は小さいが、カルガモ、マガモ、オナガガモ、オカヨシガモなど中・大型のカモ類のほとんどの種類が飛来し、種類も個体数も多いため、貴重な存在である。


写真7-79 ヨシガモ(雄) 冬鳥としてロシアのバイカル湖周辺から渡ってくる。雄は頭が扁平で茶色がかった赤紫色をしていて、目のうしろは光沢のある暗緑色。翼の一部が飾り羽になっている。ホーイホーイと鳴く


写真7-80 ヨシガモ(雌) 全体が茶色で、体中に黒っぽい斑(はん)がある。他のカモの雌より体色が黒っぽい。飛ぶと頭が大きく首が短めに見える


写真7-81 ヒドリガモ(雌) ヨシガモの雌と比べてみると全体に明るい茶色をしている。上面に黒っぽい茶の斑(はん)がある。顔から胸、脇(わき)には目立つ模様はない。嘴(くちばし)は青っぽい灰色で先端は黒い。北ヨーロッパからロシア北部一帯にいて冬鳥として渡ってくる