ニホンマムシは、山地でふつうに見られるヘビである。体色の変異が大きいが、銭形の特有な模様がある。最大でも80cmくらいで、大きいヘビではない。そのため、毒ヘビとして恐れられているが、1回に注入できる毒の量は少なく、大人がかまれても死亡することはまれである。マムシの毒は、出血を起こしたり、筋肉の壊死(えし)を起こすため、傷口から毒を絞りだし、手ぬぐいなどで止血をし、すみやかに最寄りの病院へ行くとよい。
鼻孔と目のあいだに小さな穴があり、ピット器官と呼ばれている。この器官は、小動物の体から発する熱を赤外線で感知することができ、夜間においても獲物の大きさ、方向、距離を正確に知ることができる。この器官は、ハブやニシキヘビなどにも見られる。
一般にハチュウ類は卵を体外に産むが、マムシは体内で卵をかえし、子は雌の総排出腔(そうはいしゅつこう)から産みだされる。