ハコネサンショウウオ
ハコネサンショウウオは、渓流沿いの森林の林床で生活しており、成体はあまり目にふれることはない。しかし、幼生は渓流の上流部の石の下などでしばしば見つかる。
繁殖活動は、沢の源流付近の伏流水に成体が集結しておこなわれる。産卵期は、一般に5~7月といわれているが、湧水(ゆうすい)中で冬期に産卵している例も報告されており、場所によりばらつきがある。また、幼生期間は、一般に2年半といわれており、変態は8~9月におこなわれる。幼生は、指の先に黒いつめが発達しており、これで水流に流されるのを防いでいる。
写真7-113 ハコネサンショウウオの幼生のつめ