長野市の河川や湖沼で、今までに生息が確認された魚類は約50種である。これらのうち外国からもちこまれた移入魚や、長野市以外の水系の異なった河川や湖沼からもちこまれた移殖魚は約30種にのぼる。長野市に生息する魚類の半分以上の種は、外国や異なった水系から養殖や鑑賞、釣りなどを目的としてもちこまれ、野生化したものである。これらのなかにはグッピー、カダヤシ、セイルフィンモーリー、モザンビークティラピアなどのように、限られた場所でのみほそぼそと生息している魚もいる。また逆に、オイカワやモツゴなどのように急激に生息域を広げたり、オオクチバス(ブラックバス)やブルーギルなどのように、強い魚食性のために在来魚の生活をおびやかしたりしている魚もいる。
いっぽう、シナイモツゴ、ヤリタナゴ、メダカ、アカザ、カジカなどの在来魚は、河川の護岸工事やコンクリート化、小河川のU字溝化などにともなって激減している。とくにホトケドジョウは1989年(平成元)以降生息が確認されていない。また、かつて在来魚であった、サケ、アユ、ウナギなどの魚は現在すべて放流事業によるものであり、自然繁殖していない。