2 山間部を流れる河川に生息する魚

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 山間部を流れる浅(あさ)川や聖(ひじり)川などの河川は、勾配(こうばい)が急で水の流れが速く、河床は大きな石礫(せきれき)でおおわれている。水は冷たくよく澄み、水中の栄養塩は乏しい。一次生産はもっぱら石礫上の珪藻(けいそう)類などによっておこなわれ、プランクトン生物はほとんど見られない。これらの河川では、落ち葉などが礫や流倒木などにひっかかったり、淵やよどみに沈んだりして、トビケラ類、カゲロウ類、ブユ類などの水生昆虫の幼虫の餌(えさ)あるいは生息場所となっている。山間部を流れる河川には、イワナ、ヤマメ、アブラハヤ、カジカなど冷水性の魚が生息し、これらの水生昆虫や、落下して流れてくる陸生の昆虫などを餌にしている。


写真7-115 瀬と淵が複雑に入りくむ山間部の河川


写真7-116 礫底で餌を取るカジカ


写真7-117 流れの緩やかなところに群れるアブラハヤ