平野部を流れる千曲川や犀川などは、水の流れが緩く水量も多いため、河床には小さな石礫(せきれき)や砂泥(さでい)が多く見られる。河原が開け、川面に日がよく当たるため水がぬるみ、また、生活雑排水などが流れこむため栄養塩と有機物が多く生物生産が高い。岸辺ではエビモなどの沈水植物やヨシ、マコモなどの挺水(ていすい)植物が見られる。表面に藻類が繁茂した河床の石礫の裏や、挺水植物の繁茂する岸辺にはトビケラ類、トンボ類の幼虫が生息し、また、砂泥底には貝類、ヒル類、イトミミズなどが生息する。味蕾(みらい)(味を感じる組織)を備えたひげや固い咽頭歯(いんとうし)(のどにある骨に並ぶ歯)を発達させた、コイ、オイカワ、ウグイ、ニゴイ、ギンブナ、モツゴ、タモロコ、カマツカなどは、これらの環境にうまく適応しながら生息している。また、藻類の生えた石礫底では藻食性のアユなども見られる。