放流しても帰らないサケ

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長野市の千曲川や犀川では、下流にダムが建設されるまで、秋になると毎年たくさんのサケが遡上してきた記録がある。

 1980年(昭和55)以降「サケよふたたび」の願いのもとに、毎年たくさんの稚魚が放流されているが、産卵のために回帰するサケは、ダムに設けられた魚道でまれに捕獲されるにすぎない。近年では、下流にあるダムの放水にあわせて稚魚を放流しているが、ダムに行く手を阻まれ、海まで無事たどりつけない稚魚が多い。また、魚道につながる千曲川の水量が少ないために、産卵期に遡上した成魚が魚道までたどりつけないでいたりする。それらがサケが遡上しない大きな原因であると考えられる。


写真7-161 サケの稚魚を放流するこどもたち