家のまわりのバッタ類

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家や物置のなかは、雑木林や山地の洞穴のなかと暗さや温度・湿度が似ているうえに、餌(えさ)となる虫や小さいキノコ・カビがあるので、カマドウマやマダラカマドウマがいる。

 写真のマダラカマドウマは、体長は3cmほどなのに触角は13cmもあり、夕方に物置からのそのそと出てきたところである。このなかまはどれも夜行性で、夕方から朝方まで活発に活動している。物置の地面を歩いて、野菜くず、カビ、虫や虫の死体などを、手当たりしだいに食べている。もともと野外では、ほら穴のなかにいるもので、松代の象山地下壕や善白(ぜんぱく)鉄道跡のトンネルなどに多い。


写真7-162 庭に出てきたマダラカマドウマ

 秋に近づくと家の周辺では、ミツカドコオロギがリッリッリッ…とかん高く鳴きつづける。ミツカドコオロギの顔を正面から見ると逆三角形で、横から見ると前面が切りとられたように平らである。ミツカドコオロギの体長は2cm内外で、頭の前面に白いヘアバンド状の模様をもっている。

 畑や草むらにもいて、秋には雌が土のなかに産卵管をさしこんで卵を産みつける。幼虫は6月ごろから見られ、成虫は10月末まで見られるが、夜行性のため、日中は見られない。幼虫、成虫ともに雑食性であるが、秋には虫の死体をよく食べている。


写真7-163 庭を歩くミツカドコオロギ