市内にすみついたアオマツムシ

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アオマツムシは中国原産のコオロギの一種で、1898年に東京赤坂ではじめて確認された。それ以後、日本の暖地を中心に分布を広げている虫で、長野市では1983年の夏にはじめて鳴き声で生息していることが認められた。

 夜行性で、幼虫も成虫も街路樹や植木の樹上で生活し、地上には下りない。アオマツムシは、全身緑色で、体長は羽の先端まで含めると2.5cmほどになる。成虫はサクラ、アンズ、カキなどのほか街路樹の上で、その葉を食べるが、日中は葉裏で休んでいて、夜になると鈴を激しく振るようにリーリーリーとかチリーチリーチリーと鳴きつづけるので、騒々しく聞こえる。

 図7-21から、市内のアオマツムシは、1991年ごろを境に、急激に数が増え、長野市にも定着したことがわかる。現在、更埴市・須坂市・小布施町でも増えつつあるので、市内でも今後どのように分布を広げていくのか注目したい。


図7-21 松代町のアオマツムシの変化のようす