平地の川は、ほとんどがU字溝やコンクリートで固められたうえに、水の汚染汚濁でほとんどのトンボは姿を消したが、シオカラトンボが、わずかにすみついている。シオカラトンボは、水のきれいな水田や池にすむトンボでよく知られているが、今日では平地では見られなくなった。
市内の全域の小川にいて、今ではまったく姿が見られなくなったものにハグロトンボがある。ハグロトンボは、夏の小川を代表するトンボであったが、幼虫は水の汚れにきわめて敏感で、もっとも早くいなくなった。
姿かたちがハグロトンボによく似ており、山麓(さんろく)の川にすんでいたアオハダトンボも、水の汚れが進んでいる状況では、まもなく姿を消してしまう心配がある。