7月下旬になると、夏のセミが出る。家のまわりではアブラゼミとミンミンゼミがあらわれる。この両種の幼虫と成虫は、家のまわりに植えられているウメ、アンズ、サクラ、モモ、ケヤキ、アオギリ、ヤナギなどの樹液を吸っているので、幼虫が土中から出た穴も、そんな木のまわりにある。幼虫は土のなかで4年から5年かかって成長し、夏の夜から早朝にはい出し草や木の幹、家の壁などで羽化する。
山地の雑木林では、エゾゼミという体長7cmにもなる大きなセミがあらわれ、さらに標高900mより高い保基谷岳や飯綱高原ではコエゾゼミもあらわれる。
夏のセミは気温が20℃以上になると、いっせいに鳴きだす。エゾゼミはギ……とうるさく鳴き、コエゾゼミはチ……とかん高い声で鳴くが、注意しないと区別はしにくい。
お盆が過ぎるころの暑い日中鳴きだすのがツクツクボウシで、日当たりのよい標高800m以下の山地から平地でツクツクオーシとかオーシンツクツクの繰りかえしで鳴き、その後にグジュグジュ……と後奏鳴きをする。注意しないと鳴いていてもわからない。