長野市にいる10種のセミの鳴く期間を示したのが図7－23である。

図7－23　長野市のセミが鳴く期間

　春一番のハルゼミから、一番遅くあらわれるチッチゼミまで、連続的にセミが鳴いていることがわかる。秋のチッチゼミは10月末まで鳴き、ときには平地まで飛来するが、11月には見られない。

　また、これらのセミ類の標高による分布の違い、垂直分布のようすを示したのが図7－24である。小島田八幡原の標高332mから飯縄山の標高1917mまでの分布を、鳴き声と羽化のあとに残されたぬけ殼を目やすに調べて作ったものである。エゾゼミとチッチゼミがもっとも広範囲にいて、エゾハルゼミとコエゾゼミは、山地のみにいることがわかる。

図7－24　長野市のセミの垂直分布