台風のあとや強い低気圧が通過したあとなどに、長野市にはいるはずのないチョウが採集されることがある。
そのよい例が暖地性のアオスジアゲハで、現在までに風間(5月)、松代(8、9月)茶臼山(9月)で記録されている。アオスジアゲハの幼虫はニッケイやクスノキの葉を食べ、県内では南端にわずかにいるだけであるが、ときどき飛来するチョウである。
同じく県南端にわずかにいるモンキアゲハが葛(かつら)山(7月)で採集された。幼虫はミカンやユズの葉を食べ、成虫は飛ぶ力がきわめて大きいが、葛山以外の記録はない。このようなチョウは花に飛来するから今後も注意していきたい。