クヌギやコナラの葉を食べ、冬の雑木林に美しいまゆを残すのがヤママユとウスタビガである。
ヤママユもウスタビガも卵で冬を越しているため、まゆのなかには、成虫が出たあとに残された蛹の抜け殼が入っているだけであるが、まゆは生きたあかしである。
ウスタビガもヤママユも、卵は5月にふ化し、幼虫はクヌギやコナラの若葉を食べ、夏前には葉をつづり合わせたり、小枝の先に何重にも糸でくくりつけたまゆを作り、蛹となる。
成虫があらわれるのは秋で、ヤママユは9月に、ウスタビガは10月に、それぞれ秋の枯葉に似た色彩であらわれ、いそがしく交尾をすませ、食樹の枝に産卵し、初雪がくる前に姿を消してしまう。
雑木林ではヤママユの成虫があらわれるころ、オオミズアオという青白色のガもあらわれ、夜の雑木林を飛び交っている。