雑木林や千曲川・犀川の河川敷に茂っているヤナギ、ポプラなどにはミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、ヒメオオクワガタ、アカアシクワガタなど多くのクワガタ類がすんでいる。これらの幼虫は、どれも朽ち木に食い入り材を食べる。
雌は朽ち木のなかへもぐって産卵し、幼虫は2年目に朽ち木のなかで蛹(さなぎ)になり、1ヵ月ほどで成虫となる。成虫は7月から8月にあらわれるが、夜行性で日中は落葉や倒木の下などにいる。夜になると活発に飛びクヌギやコナラなどの樹液を好んで吸う。成虫を飼育するには、餌(えさ)として水分と、黒砂糖を酒で溶かしたものをあたえてやると、長期間の飼育ができる。
雑木林などでクワガタ類とともに多いのがコガネムシのなかまである。その代表はカブトムシで、市内では畑に積みあげられたおがくずや堆肥(たいひ)や落ち葉のなかにまでいる。角がない雌は、落葉や堆肥、朽ち木のなかにもぐりこみ、直径2mmの球形の白い卵を産みつける。卵は約10日ほどでふ化し、白い体の幼虫となる。幼虫は翌年の春までに2回脱皮し、3齢幼虫になり5月には蛹となっている。
成虫があらわれるのは6月で、夜行性のため日中は木の幹や落ち葉、枯草などの下にいて休んでいるが、夜になると活発に飛びまわり、交尾をしたり樹液を吸ったりする。そのため、果物やスイカなど甘い汁が出るものを雑木林のなかに入れておくと、その汁を吸いにいろいろな虫とともに集まってくる。
このほか、コガネムシのなかまではカナブンやアオカナブンが見られる。アオカナブンは体長2.5cmほどで、全身が輝く緑色で、好んで樹液を吸う。