山地には、草木の葉や根を食うビロウドコガネ、ハイイロビロウドコガネ、アオドウガネ、ドウガネブイブイ、オオスジコガネ、ヒメコガネ、マメコガネなどがいる。
日中よく姿が見られるのがマメコガネである。成虫は、イタドリ、ヤマブドウ、ダイズなどをとくに好んで食べている。体長は1cmほどで、6月から8月にかけ山地でよく見られる。このほかのコガネムシは、夜行性で灯火に群がって飛来するため、山地にある人家ではたいへん迷惑する。
マメコガネのように植物を食べるものに対し、山地には動物の糞や死体を食べるセンチコガネがいる。成虫は春から秋まで見られるが、もっぱら地上を歩いて餌(えさ)を探す。体長は1.5cmほどで、体色は金銅色から緑銅色とさまざまであるが輝くように美しい。草原や山道、日当たりのよい裸地に落ちているタヌキ・イヌ・カモシカなどの糞を裏返すと、カドマルエンマコガネやツノコガネなどとともに発見することができる。
山地には山道に好んですみつくハンミョウもいる。山道を歩いていると足もとからパッと虫が飛びたち、数メートル先に着地し、近づくと再び足もとからパッと飛びたち、数メートル先に着地する。ちょうど山道を歩く人の案内をするように先へ先へと飛びたつので、この虫は「みちおしえ」という名前で親しまれている。市内の山地にはミヤマハンミョウ、ニワハンミョウもいて、同じような習性をもっている。
成虫で冬越しをするので、春の山道でも見られ、体長は2cmほどで、体は緑、赤、藍色の美しい斑紋(はんもん)で金属光沢をもって輝いている。
幼虫は山道に縦穴を掘ってそのなかにすみ、地上を歩く虫を食べ、成虫も虫を捕って食べている。
山道や雑木林にはコメツキムシのなかまも多い。クヌギやコナラの樹液にはサビキコリ、オオクシヒゲコメツキなどが集まり、山道の草花にはカバイロコメツキ、ヒゲコメツキなどがいる。
ヒゲコメツキは体長が3cm、雄は触角が2cmもあり8~9本の枝を広げる。成虫は6月から8月まで見られ、夜行性のため灯火にも飛来する。幼虫はハリガネムシと呼ばれ朽木や土中にいて、他の虫も食べている。