アオムシコマユバチ(コマユバチ科)

518 ~ 518

 体長3mm全体に黒色、足は黄色。初夏から秋にかけて、明るく開けた日当たりのよい大根やキャベツ畑で、モンシロチョウの幼虫アオムシに食害された畑で見かける。

 葉の上を歩きまわり、まず触角でアオムシの食痕(しょくこん)を探し、1~3齢幼虫を選び一瞬のうちに飛びかかって産卵管を突きさし、20~30個の卵を産みつける。このとき、産卵管を突きさしても、すでに産卵されているアオムシには産卵しない。卵は、アオムシの体内でふ化・成長し、アオムシが蛹になる直前、終齢幼虫となったハチはアオムシの皮膚を食いやぶって脱出する。そしてその場か、その近くにひとかたまりになり、それぞれ黄金色の糸を張り小さなまゆをつくり蛹となる。青虫小繭蜂(あおむしこまゆばち)の名はこれによる。

 蛹は1週間ほどで成虫になる。秋、モンシロチョウの幼虫が、近くの枯草や建物のすき間に入って蛹になるころ、寄生したハチの終齢幼虫はアオムシから脱出し、まゆをつくり前蛹(ぜんよう)で越冬、早春に成虫となる。いうまでもなくこのハチはモンシロチョウの寄生蜂であるが、さらにアオムシの体内にいるこのハチの幼虫に、アオムシコマユヤドリバチ(体長1.4mm)が寄生する。


図7-33 アオムシコマユバチ