雌の体長は12~15cm、雄はやや小型。体全体に金属光沢の黒色、頭はややアリに似ており、胸部背面には短い黄褐色毛、腹部第2~4節の縁には顕著な白色毛をもつ。触角と足は短く、ミツバチのような花粉採集器はないが、ものをかみ切る大鰓(えら)と採蜜のための長い舌をもつ。
春と秋に出現し、北海道・本州・九州に分布する。成虫で越冬した雌バチは、まず花蜜や花粉などを食べて体力を養い、ヨシやアシなどの茎のなかを草木の髄・繊維や泥などで仕切り、花蜜と花粉をたくわえ1個産卵して封じる。これを繰りかえし茎の入り口までそれぞれの巣部屋をつくる。
花蜜と花粉を食べて成育した若成虫は奥の方から順に、仕切りの上端を食いやぶり外へ飛びだす。年2回の出現で、秋の若成虫は巣のなかで越冬、翌春飛びだす。市内およびその周辺では、年1回、リンゴの開花に合わせるように見られるが、秋はほとんど見られない。リンゴ・ナシなどの植物の授粉に大きく貢献しており、リンゴ果樹園などでは計画的に利用している。