8 水生昆虫のなかま

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 長野市には、千曲川・犀川をはじめ中小多くの川が流れている。その川には多くの昆虫がすんでいるが、一生のすべてを水の中で過ごすものはいない。一生のある時期だけ水中で過ごす昆虫がほとんどである。このような昆虫を、水生昆虫という。

 一般に水生昆虫は、魚のように強い遊泳能力をもっていない。それで、流れの速い渓流部では流れに逆らって泳ぎまわることができないため、大部分の水生昆虫は岩の表面にしがみつくか、川底の石のあいだに入ったり、砂のなかに潜ったりして生活している。

 したがって、水生生物にとって川底の状態がどうなっているか、水質はどうであるかによって、そこにすむ種類が決まってくる。水の汚れているところでは、その汚れに耐えられない種類はいなくなる。このような水生生物の性質を利用して、そこにすむ生物から水質を判定しようとしたのが、生物学的水質判定法である。長野市公害環境課では、1988年(昭和63)から市内の各河川に調査地点を選定して、調査した結果をもとに水生生物生息地図を作ったり、その地点の水質を判定して、写真7-248のような表示板を調査した地点に設置している。


写真7-248 高岡川水質判定表示板

 長野市内の川にすむ水生昆虫の主なグループは、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類、ヘビトンボ類、トンボ類、ブユ類、ユスリカ類、ガガンボ類など多くいるが、いまだにその生態など詳しくわかっているものは少ない。

 長野市河川に見られた主な水生昆虫を地図に示したのが、図7-34である。


図7-34 長野市の河川の水生昆虫

 ここでは、水生昆虫の世界を知るために、市内の川で見られた水生昆虫のグループについて述べる。