カゲロウ類

523 ~ 524

このなかまは、蛹の時代がなく羽化期に近づくと、幼虫から亜成虫という成虫に似たからだとなり、水面に浮かび上がってくる。水辺の石の上などで脱皮をして成虫になるもので、水中生活がほとんどで、成虫になると食物をとらず、1~2日のごく短時間のうちに交尾・産卵して、その一生を終わる。よく「カゲロウのような命」といわれるように、短命な生きものの代表として知られている。

 カゲロウ類の幼虫は、種類により生活場所が異なる。きれいな水で流れの速いところで生活するヒラタカゲロウは、頭部が大きく、肢が強くからだ全体が扁平(へんぺい)である。流れの速いところの石の表面にからだを密着させて、石の表面にあるケイソウなどの藻類を食べて生活している。

 長野市内のきれいな川底には、オナガヒラタカゲロウ、キイロヒラタカゲロウ、エルモンヒラタカゲロウ、ナミヒラタカゲロウ、ユミモンヒラタカゲロウなど5種が見られる。


写真7-249 ヒラタカゲロウのなかま

 ヒラタカゲロウと同じような生活をしているものに、タニガワカゲロウがいる。

 市内の渓流では、クロタニガワカゲロウ、シロタニガワカゲロウ、キブネタニガワカゲロウ、ミヤマタニガワカゲロウなど4種が見られる。

 このほかに、ヒメフタオカゲロウ、トビイロカゲロウ、コカゲロウ類、チラカゲロウなど水中を自由に遊泳しているなかまがいる。このなかまは、ヒラタカゲロウなどのからだと違い、体は細長く、胸部や腹部は太く丸く、水の抵抗を少なくする流線型をしている。


写真7-250 遊泳型カゲロウのなかま

 また、川底の砂や泥、落ち葉などの堆積物の中に潜って生活しているマダラカゲロウ類(写真7-251)、フタスジモンカゲロウ、アミメカゲロウなどがいる。このなかまは、呼吸のためのえらが腹部の背中側にあって、絶えず動かして水中の酸素を取り入れている。


写真7-251 マダラカゲロウのなかま