ヘビトンボ類

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今まで大きなグループについてあげてきたが、昆虫としてはあまり種類数が多くないけれども、見落とすことのできないのが、広翅目(こうしもく)のヘビトンボ類である。

 名前はトンボというけれど、ふつうのトンボとは違う。日本にはヘビトンボとクロスジヘビトンボの2種が生息している。とくにヘビトンボの幼虫は、大きな体をしていて、川底の砂石間に生息し、トンボ、トビケラ、カゲロウなどの水生昆虫の若虫を捕食し、2~3年で幼虫期を終わり、岸辺の石や木の下で蛹になり、初夏に羽化する。

 幼虫は大きくなると、5cmにもなり、肉色の軟らかい体の腹部の各節に左右に突きだした足のような付属器があり、一見恐ろしい感じがする。幼虫も強い大きな口をもち、気をつけないとかみつかれることもある。幼虫は俗に孫太郎虫といわれ、幼虫の数匹を竹串(たけぐし)に刺し干したものを、小児の疳(かん)の薬として生(しょうやく)屋さんで「孫太郎虫」として売っている。