植木の乾いた根もとや雨があたらない石垣などに、灰色の筒状のチューブが土のなかから伸びている。これはジグモの巣で、筒は土中に半分ぐらい入っており、そのなかにジグモがいる。昆虫などがこの筒に触れると筒のなかから昆虫を捕らえ、筒のなかに引きこんで食べてしまう。
家のまわりで、もっともふつうに糸の巣を張っているのがオニグモやイエオニグモで、植木のあいだではジョロウグモが糸の巣を張っている。
オニグモは丸く大きな黒褐色の体で、夕方に網を張り、夜、盛んに虫を捕食し、朝にはその網を取り払ってしまう。
植木のあいだにいるジョロウグモは、最近、めっきり数を減らしているが、秋には大きな成体を見ることができる。写真7-262に示したのは雌であるが、雄ははるかに小さい。ジョロウグモは複雑な三重網を張り、ガやセミ、トンボなど大型の虫を捕食している。