カタツムリなどの貝殻をもった陸産貝類は、長野県内では17科100種ほどが確認されている(飯島,1983)。ヒダリマキマイマイ、ニッポンマイマイ、ウスカワマイマイなどは貝殻も大きく目にふれやすいので、だれでも目にしたことがあるが、多くの種は微小で人目につかず、落ち葉や礫(れき)の下などで生活しているので、ほとんど知られていない種が多い。
長野市の陸産貝類については、『長野市教育』(飯島,1981)に13科44種が認められると報告されている。本報告では、さらに調査地点を加えたことによって、17科53種が確認された。調査地点と確認された種については、一覧表にして掲載したが、そのなかには幼貝であったり、死に殻のため軟体部の検討ができず、種名まで同定できない種も含まれている。