昆虫類では、まず、体が小さく原始的な形態をもつ原尾目(げんびもく)のカマアシムシや、粘管目(ねんかんもく)のトビムシ類などが見られる。
カマアシムシは図7-40のように羽がなく、前足を頭の前で鎌(かま)をふりかざすようにして歩き、菌類や小昆虫の死体を食べることが知られている。
この保基谷岳の腐葉土のなかから発見された個体(雌)は新種で、採集者の名をつけクラタカマアシ Hesperentomon kuratai と命名された。このグループは中国・キルギス・アルタイ・カルフォルニアなどにも生息することが知られている。
このほか、図7-41に示すようなシミやコムシも、小さい昆虫であるが落ち葉を食べたり、小虫を捕食したりしている。長野市の山林で種類や数が多いのはトビムシ類で、ひとにぎりの落ち葉のなかに20~30匹いることもまれではない。トビムシ類は、もっぱら落ち葉や菌類を食べている。