(2) 多自然型川づくり

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 両岸と川底は強固なコンクリートブロックで固め、蛇行した川は直線にして流れを速めるという、悪評高い河川の三面張りを見なおすかのように、ヨーロッパのビオトープづくりが広まってきた。洪水対策だけでなく、数多くの生き物が生きつづけられる河川環境をつくりだそうというのである。建設省では、1990年(平成2)に多自然型川づくりを提唱して工事を始めた。河川が本来もっている生き物の良好な生育環境に配慮し、あわせて美しい自然景観を保全または創出する事業と定義されている。


写真8-17 悪評な河川の三面張り工法

 犀川・千曲川流域でも、自然環境保全、生態系保全をはかりつつ河川改修事業を進めるため、積極的に多自然型川づくりがおこなわれている。


写真8-20 巨石を並べた護岸―生き物と共存する多自然型川づくり―屋島橋上流(ひふみ淵(ふち))