長野市誌 第二巻 歴史編 原始・古代・中世 目次

1 ~ 18

口絵

刊行のことば            長野市長 塚田佐

緒言

例言


第一編 原始・古代…一

序章 長野市の自然と遺跡…三

 一 歴史の舞台としての長野市の自然…四

長野市の位置と面積  周辺合併により拡大した長野市  長野市の気候

 二 三地域に分かれる地形…六

    西部山地  東部山地  長野盆地  独自性を保つ盆地

 三 長野市域の地形と遺跡立地…一〇

高原と丘陵地形  河岸段丘  犀川扇状地  裾花川扇状地  浅川扇状地  河東の扇状地  千曲川低地  自然堤防

 四 長野盆地の遺跡…一八

長野盆地南部の遺跡  松代地域の遺跡  犀川水系の遺跡  若穂・須坂地域の遺跡  浅川扇状地と周辺の遺跡

 五 遺跡にみる災害の歴史…二六

 六 すすんだ開発と自然環境の変化…二九


第一章 長野盆地の黎明…三一

第一節 高原と山地の旧石器文化…三二

 一 旧石器時代の長野盆地…三二

人類の歴史の始まり  長野盆地の旧石器時代遺跡  氷河時代の気候と動物相

 二 飯綱高原の狩人…三七

屋遺跡の調査  生活の道具  ムラの生活  旧石器人の地域交流

 三 東アジアの細石器文化…四三

    二万年前の世界  三つの細石器  北と南の文化

 四 神子柴型石斧の登場…五三

    磨製石斧の使用

 五 有舌尖頭器を用いた人びと…五五

    三つの有舌尖頭器

第二節 長野盆地の縄文文化…五七

 一 土器と弓矢の出現…五七

列島化した自然  洞窟・岩陰遺跡  煮沸具としての土器

 二 尖底土器を用いた人びと…六〇

    押型文土器  狩猟採集の生活

 三 低地に進出した人びと…六三

自然環境の変化  古環境の復元  集落の形成と展開  縄文的生活の定着

 四 扇状地・段丘上のムラ…七四

生活の舞台  縄文土器の多様な器形の出現と展開  身体を飾った縄文人  生業形態の変化  ヒトとモノの交流

 五 遺跡の立地類型と拠点的集落…九五

    立地環境  遺跡の立地類型と特性

 六 河川流域に定住した人びと…九九

縄文人の低湿地への進出  明らかにされた縄文人とその生活  千曲川のサケ・マス漁  縄文から弥生へ


第二章 科野国への動き…一〇九

第一節 農耕文化の歩み…一一〇

 一 弥生文化の導入…一一〇

弥生文化の形成  長野の地への稲作導入  稲作関係石器の登場  根強い縄文伝統  篠ノ井・塩崎遺跡のムラと墓

 二 農耕社会の確立…一二四

栗林式土器成立の経緯  本格的な水稲耕作  米以外の食糧  石の道具から鉄の道具へ  まつりの道具  松原集落の盛衰  集落どうしのつながり

 三 赤い土器のクニ…一四四

箱清水式土器の発見  環濠集落と社会の緊張  銅鐸と武器形祭器  周溝墓と副葬品  母なる川に沿って広がるムラムラ  赤い土器の終焉と古墳時代への胎動

第二節 科野の国のなりたち…一六〇

 一 古墳の出現…一六〇

古墳と古墳時代  土器の移動現象と地域再編  遠来の土器と長野盆地  前方後方墳の世界

 二 川柳将軍塚古墳の時代…一七三

川柳将軍塚古墳の築造  地域王権の確立  地域王権の変容  祭祀域の形成  自然堤防上に展開するムラ

 三 地域をかためた中小豪族と人びとの生活…一九二

中小豪族の台頭  塩崎・石川沖積地の古墳  川中島扇状地の古墳  裾花川・浅川扇状地の古墳  松代・若穂の沖積地の古墳  前方後円墳の終焉  人びとの生活  須恵器の使用と生産  生産地と農具  農耕祭祀と水神祭祀

 四 積石塚古墳と合掌形石室…二一二

名称と分布  大室古墳群の発掘調査  積石塚古墳と合掌形石室  積石塚の系統  大室における積石塚の推移

 五 群集墳と古墳の終末…二三二

群集する小規模古墳  横穴式石室のひろがり  群集墳に葬られた人びと  散在する小さなムラ  古墳が消えるとき

第三節 シナノのクニから科野国へ …二五一

 一 ヤマト王権の東国進出とシナノのクニ…二五一

地域呼称「シナノ」の由来と用字  耶馬台国とその所在地  ヤマト王権の成立と「シナノのクニ」  記紀伝承に見えるヤマト王権の東方進出と「シナノ」  ヤマトタケル伝承と「古東山道」・「越への河の道」

 二 科野国造と善光寺平の豪族・部民…二六四

ヤマト王権の地方支配の構造  科野国造氏と金刺舎人氏・他田舎人氏  善光寺平の部民  屋代遺跡群出土木簡と善光寺平の部民  善光寺平と屯倉の設置  武烈紀の「信濃国の男丁」  『伊呂波字類抄』の「善光寺」縁起と若麻績氏

 三 律令国家の形成と科野国…二八八

ヤマト王権の動揺と東アジア情勢の変化  推古朝の政治と科野  朝鮮半島諸国の政治改革と「大化改新」  「大化改新の詔」と「東国国司」の派遣  孝徳朝の立評と科野国  阿倍比羅夫の蝦夷討征と科野  白村江敗戦後の政策と屋代遺跡群出土「乙丑年」木簡  壬申の乱と科野の兵  天武・持統朝と科野


第三章 律令制下の北信濃…三一一

第一節 新しい地方支配のしくみ…三一二

 一 律令国家の行政・軍事制度のしくみと信濃国…三一二

中央行政のしくみ  地方行政のしくみ  信濃国内の行政組織とその変遷  公式令符式と国符・郡符  屋代木簡中の国符・郡符  地方行政と論語木簡・九九木簡  中央の軍制  地方の軍制  衛士と防人

 二 律令国家の財政のしくみ・農民の負担と信濃国…三三二

財政基盤と農民の負担  戸籍・計帳と班田収授制  信濃国内におかれた封戸

第二節 地域としての北信濃…三五一

 一 出土資料からみた北信濃…三五一

善光寺平の古代の歴史的環境  屋代木簡と古代の行政  古代信濃の行政地名  長野市域の出土文字資料

 二 北信濃の牧…三六八

科野の牧の始まり  律令制成立期の牧の経営  中央・地方の牧官司と馬の用途  長屋王家木簡にみえる信濃の牧史料  内廐寮・御牧の出現と信濃国牧主当  牧の官司と地方牧の変遷  御牧の経営と課欠の発生  課欠駒対策と信濃の牧  信濃の御牧と北信濃の牧

 三 北信濃の交通…三八一

東山道と古代の交通路  信濃の東山道  善光寺平の駅路と伝路  道と条里遺構

第三節 古代の神と仏…三九一

 一 東アジアにおける信濃の仏教文化…三九一

    仏教伝来  小金銅仏の分布  白鳳時代の寺院

 二 国分寺の造営…四〇一

信濃国分寺の造営  千曲川流域の古代寺院  郡家と廃寺

 三 平安時代初期の神と仏…四〇九

国分寺と信濃の定額寺  信濃の神  神階叙位と神仏の習合  集落における仏教信仰

 四 観音信仰と埋納経思想…四一八

北信濃の観音像  古代における観音信仰  観音霊場と経塚

第四節 古代から中世へ…四二七

 一 考古学からみた古代のムラ…四二七

古代のムラの移りかわり  掘りだされた古代のムラ  特殊な出土遺物  ムラ人の生活様式の変化  手工業生産の展開  ムラの近くにつくられた墓

 二 善光寺平の条里…四四四

条里とは  条里的遺構と水田遺跡  旧長野市街地の条里的遺構  条里的遺構のプランとその起源  条里的開発と地域の再編成

 三 古代から中世への社会変動…四六一

東国の変動と北信濃  再開発の進展と新興有力者の台頭  信濃の初期荘園  王朝国家の成立  院政と荘園公領制


第二編 中世…四七五

第一章 北信濃の鎌倉時代…四七七

第一節 源平争乱と北信濃…四七八

 一 北信濃における源氏と平氏…四七八

流人から在地領主へ  井上郷、若槻荘などと源氏  笠原牧、東条荘などと平氏  平維綱と平正弘  保元・平治の乱

 二 木曾義仲の旗揚げと北信濃の武士…四九五

挙兵から横田河原合戦まで  横田河原合戦の虚実  京への進撃と没落

 三 善光寺と戸隠の動向…五〇五

古代末期の善光寺  善光寺信仰の発展  北信濃の山岳霊場  宗教領主としての戸隠

第二節 善光寺信仰の発展と諸宗派…五一八

 一 鎌倉幕府と善光寺…五一八

頼朝による善光寺再建  北条氏と善光寺信仰  地頭・御家人と善光寺信仰  善光寺の寺内組織

 二 善光寺信仰の展開…五二八

「善光寺縁起」と女人救済  新善光寺の成立とその性格  残存する善光寺仏とその問題点  「善光寺聖」の多彩な活動  主な参詣者とそのルート

 三 新しい仏教の進出…五四五

遊行上人と信濃  無関普門と規菴祖円  律宗の拠点としての太田荘  旧仏教系寺院の動向

 四 山岳信仰と神社…五六一

    戸隠顕光寺の組織と諸活動  古代官社の変質

第三節 北信濃の社会と生活…五六八

 一 北信濃の荘園と御厨…五六八

山間地における荘園の発達  千曲川流域の御厨と荘園  富部・布施御厨の痕跡  高田・市村郷から市村高田荘へ  四宮荘の実像

 二 北信濃の公領と地頭…五九二

    善光寺平の公領  善光寺平の地頭御家人

 三 門前や宿の繁栄と職人…六〇一

鎌倉街道と善光寺  宿と渡しの発達  善光寺の門前  鎌倉時代の善光寺仏師


第二章 北信濃の南北朝内乱…六一七

第一節 得宗の進出と幕府の滅亡…六一八

 一 北条氏の北信濃進出と御家人の衰退…六一八

四人の善光寺奉行人  善光寺奉行人の停止  北条氏の善光寺平への進出  得宗被官の進出

 二 転換期を迎えた武家社会…六三五

御家人の困窮・疲弊  親族結合の変化  若槻氏の変化と所領  鎌倉攻めをめぐる庶子と惣領家

第二節 建武の新政と南北朝の内乱…六四八

 一 建武新政下の北信濃…六四八

新政府の成立と混乱  「中先代の乱」と北信濃  尊氏の離叛と新政府の瓦解

 二 南北朝内乱期の北信濃…六六三

室町幕府の創設  島津氏にみる領主制支配  「観応の擾乱」と北信濃の情勢  宗良親王の信濃入国  親王の挙兵と守護小笠原長基


第三章 北信濃をめぐる守護と国人領主…六八五

第一節 守護支配の展開と大塔合戦…六八六

 一 鎌倉府管轄下の北信濃…六八六

守護上杉朝房と南朝勢力との角逐  守護斯波氏の入部と北信濃  守護所の移動と善光寺

 二 大塔合戦と北信濃…七〇一

守護小笠原長秀の入部  合戦の発端  合戦の経緯  市域武士の動静

第二節 関東の争乱と北信濃…七一九

 一 守護支配の進展と北信濃…七一九

幕府料国下の北信濃  小笠原政康の復権  守護小笠原政康の信濃支配  鎌倉府の紛擾と市域の武士

 二 守護支配の衰退と北信濃…七三四

守護家小笠原氏の内紛  後退する守護支配と北信濃  北信濃の国人領主支配

第三節 室町時代の郷村と国人…七四八

 一 北信濃の国人層と京都・北陸…七四八

太田荘領家年貢をめぐる紛争  国人島津氏の反抗と嘉慶の乱  応永の平和と市村高田荘の年貢納入

 二 北信濃の郷村と国人・侍衆…七五七

守護被官となる侍衆と新しい郷村  守護領の変質と新興国人  高梨氏と六ヶ郷用水

 三 国人領の村々…七七一

信濃文正の変と香坂・小田切氏の高梨領進出  善光寺平での応仁・文明の乱  消滅した中世の郷や村

 四 室町文化の行きかう村と町…七八二

連歌師宗祇・宗長と善光寺平  僧堯恵の善光寺参詣  善光寺の朝鮮貿易  下総・長沼・京都を結ぶ真宗寺院  伊勢御師が訪ねる村・町

第四節 中世後期における仏教の展開…八〇〇

 一 善光寺と善光寺信仰…八〇〇

門前町の形成と朝鮮遣使  たび重なる火災と再建  三井寺支配の終焉と本願尼の登場  新たな縁起の編さん  戦国武将と善光寺如来

 二 禅宗の浸透と浄土系諸宗の発展…八二〇

此山妙在と性海霊見  大安寺と曹洞宗の進出  善光寺妻戸衆と時宗寺院  浄土宗の動向  真宗と「本尊裏書」

 三 回国聖と地域霊場…八四三

六部と頼朝回国伝承  さまざまな山岳信仰  皆神山と在地修験


第四章 北信濃の戦国時代…八五三

第一節 川中島の合戦…八五四

 一 武田軍の北上と北信の諸将…八五四

高梨氏の勢力拡大  武田の侵攻と村上義清  葛尾城自落  最初の川中島の合戦

 二 八幡原の激突…八六五

二百日間の長陣  葛山城の落城  信越国境の戦い  永禄四年八幡原の激突  『甲陽軍鑑』が記す川中島の合戦

 三 武田・上杉の同盟と平和の到来…八八四

飯山口の攻防戦  永禄七年の川中島出兵  御館の乱と越甲同盟  真田氏の台頭

第二節 武田領国下の北信濃…八九七

 一 武田家臣と軍役…八九七

武田か上杉か  恩賞要求と宛行  歩兵中心の軍役  装備の統一・人数の加増  軍役の強化

 二 海津城と北信支配…九一二

海津城主春日虎綱  郡司としての海津城主  牧野島城と在城衆  長沼城と郡司  武田氏の直轄領

第三節 上杉氏の川中島四郡支配…九二五

 一 一揆蜂起す…九二五

    武田氏滅亡  森長可の入部  一揆蜂起す  長可逃げる

 二 上杉氏の侵入…九三六

諸将の服属  四つの城と城主・郡司  須田満親の海津入城

 三 豊臣政権下の北信…九四五

上杉・真田同盟  上洛と朝鮮出兵  定納員数目録のなかの信州衆  文禄四年の太閤検地  国替えと領地の引き渡し

第四節 戦乱のなかの村…九六六

 一 幕張りの杉…九六六

荒廃する村  造宮銭の強制と抵抗  欠落と人返し  幕張りの杉の伝承

 二 村の貫高と石高…九七八

郷と上司貫高  上司貫高から定納高へ  太閤検地帳の石高  検地帳からみた下・中氷鉋村  郷村の代官

 三 戦国時代の終焉…九九七


第五章 古代・中世の文化財…一〇〇三

第一節 建築…一〇〇四

 一 中世の建築…一〇〇四

県下と市域の中世建築物  中世の社寺建築  信州の中世の建築の実例  中世の建築の特徴  仏寺建築の変化  神社建築  長野市の室町時代の神社  中世の信州神社建築の特徴

 二 長野市の室町時代の建築物…一〇二三

葛山落合神社本殿  葛山落合神社境内社の諏訪社社殿  浅川西条の諏訪神社本殿  正覚院境内社の諏訪社

 三 善光寺造営図…一〇三二

    善光寺境内の建築設計図

 四 中世の善光寺の建築…一〇四四

    諸『絵図』から見た善光寺  中世伽藍と建物

第二節 美術工芸…一〇六〇

 一 絵画…一〇六〇

 二 彫刻…一〇六六

 三 金工…一〇八五

 四 漆工…一〇八八

 五 陶磁…一〇八九

 六 刀剣…一〇九〇

 七 書跡・典籍…一〇九二

 八 その他…一〇九五

第三節 石造文化財…一〇九八

 一 長野市の中世石造物…一〇九八

信仰対象としての中世石造物  無数の造塔-五輪塔・宝篋印塔-  板碑-武蔵型板碑-  安山岩製板碑-善光寺平型の登場-  その他の石造物-多層塔・石幢・石仏-

  二 石塔の立つ風景-中世善光寺の景観…一一〇七

花岡平石塔群の調査  善光寺周辺の石塔群  石塔の立つ風景

第四節 中世の城館跡…一一一四

 一 軍事(防御)施設としての城…一一一四

城とその時代  城への関心・地域の文化財  城の見方  長野市域の山城

 二 考古資料からみた長野市の城郭…一一二一

    発掘された山城  山城の発掘で明らかになったこと

 三 考古資料からみた長野市の居館跡…一一二八

   市域の館分布  変化する館  発掘された居館


付録(1) 中世史料に見られる新善光寺一覧…一一三五

付録(2) 中世の紀年銘を有する善光寺式如来像一覧…一一四二


あとがき

原始・古代・中世史専門部会部員・調査執筆員

執筆分担

監修者

刊行委員

編さん準備委員

編さん委員

調査協力員

事務局・編さん室職員