高原と丘陵地形

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長野市域の高原地形には飯綱山麓から戸隠へとつづく標高一〇〇〇メートルの飯綱高原があり、小田切の小野平には規模の小さな高原地形がある。丘陵地形は飯綱高原から長野盆地に傾斜する芋井・浅川地域、裾花川と犀川にはさまれた犀川丘陵の七二会・小田切地域、聖山から流れでる聖川両岸の信更地域にある。これらの地域の標高は六〇〇~九〇〇メートルで、長野盆地より三〇〇~六〇〇メートルほど高い。これらの丘陵の山脚部分には、ところどころに白い岩肌をみせる第三紀層の裾花凝灰岩が多い。それが崩れて形成された崖錐地形が、篠ノ井の石川・岡田・小松原、安茂里、芋井とつづき、河東地域では保科扇状地の山麓部や山新田(若穂綿内)に特徴的にみられる。


写真2 飯綱高原

 善光寺平の西部一帯を占めている丘陵や山地は、西山(にしやま)地帯ともよばれ、市域ではもっとも広くまとまった畑作地帯を形成している(市域の畑総面積の約三三パーセント)。

 聖川は茶臼山地と篠山山地のあいだを流れ、川沿いに細長くのびる谷底平野を形成し、信更町の大森から山田にかけては平坦な水田が開かれている。聖川は山田の下流で一変して急勾配となり、篠ノ井上石川に注いでいる。

 陣場平山の山塊と犀川横谷との中間地域には、標高九〇〇メートル以下のゆるやかな丘陵性の山地が広がり、湧水(ゆうすい)地点を中心に多くの集落が分布している。これらは八五〇~一〇〇〇メートル、七〇〇~八〇〇メートル、六〇〇~七〇〇メートルに三区分される。この地域は地滑りの多発地帯にもなっており、山腹には階段状の地形や不規則な凹凸を示す微地形を形成している。