つぎに、労役およびその他の農民の負担について述べる。後述する運脚も広義には農民の労役負担に属するが、もっとも重い負担となるのが雑徭(ぞうよう)(くさぐさのみゆき)である。雑徭は、正丁が一年間に六〇日、次丁が三〇日、中男が一五日を上限として、国・郡司に徴発されて地方で労役に服するものである。道や橋の整備、用水・堤防の修築といった土木工事などに使役されたほか、官田の耕作や国衙の工房での物品生産に従事させられたものもいたらしい。
雑徭
つぎに、労役およびその他の農民の負担について述べる。後述する運脚も広義には農民の労役負担に属するが、もっとも重い負担となるのが雑徭(ぞうよう)(くさぐさのみゆき)である。雑徭は、正丁が一年間に六〇日、次丁が三〇日、中男が一五日を上限として、国・郡司に徴発されて地方で労役に服するものである。道や橋の整備、用水・堤防の修築といった土木工事などに使役されたほか、官田の耕作や国衙の工房での物品生産に従事させられたものもいたらしい。