祠堂金元金

306 ~ 307

祠堂金元金には、(一)諸料物(りょうもつ)金、すなわち信者から祠堂金などとして大勧進に寄進されたもの。(二)三寺中祠堂金、すなわち寺内の諸院坊祠堂金が大勧進へ委託されたもの。(三)預かり金、すなわち祠堂金に仮託された預金の三種類があった。貸しつけ先は、最初、領内の有力者であったが、のちにだんだん広い範囲になり難民救済的な意味が加わってきた。貸しつけ金利は、はじめ年利一割五分であり、のち一割二分に下げられ、幕末には一割であった。

 また、祠堂金と似たものに五重塔料というものがあった。これは五重塔建築基金として集めたものであるが、五重塔建築不許可の結果、寺の基金となったもので、祠堂金とはいちおう別途になっていたので、これについても簡単にふれることにする。

 祠堂金には、前述のように三つの種類のものがある。その一つ一つについて説明することにする。