口絵
刊行のことば 長野市長 鷲澤正一
緒言
例言
第八章 商品流通の発達…一
第一節 善光寺平の定期市と市場争論…二
一 善光寺十二斎市と大門町…二
大門町と他町の市をめぐる争い 上大門町と下大門町の争い 善光寺市の取り引き商品
二 善光寺堂庭商人の活動と組織…九
堂庭商人と小屋見世 堂庭商人の諸相
三 松代領の定期市…一四
松代町の定期市 笹平の定期市 その他の定期市 松代領の馬市
第二節 善光寺平市場圏の確立と展開…二七
一 商圏の変化と農村商人の活動…二七
領外市場との取り引き 木綿・油・煙草仲間の結成 穀物・酒造仲間の結成 各種商人仲間の結成
二 江戸奉公人の供給と善光寺商人…三九
江戸奉公人の供給と信州 奉公人の源流と近世社会 善光寺抱元と善光寺門前町人 幕政改革と奉公人統制 江戸出稼ぎ奉公人の実態
三 町続き地の拡大…四九
善光寺町と町続き地の商業 善光寺町と町続き地の商業紛争 松代城下町と町外町の商業
第三節 商家経営と権堂水茶屋…五九
一 御用商人八田家の商家経営…五九
伊勢町八田家の来歴 八田家の経営 文化・文政年間の八田家の経営 文政期の家政改革 幕末期の八田家の経営 八田家の奉公人
二 町続き地権堂村と水茶屋の繁盛…七六
茶屋商売の成立と増加 茶屋の仲間と組織 遊女
第四節 貨幣経済の発展…九三
一 村に入る貨幣…九三
市の変化と貨幣経済 現金の入手時期
二 村の消費生活…九八
一年の消費生活 盗難にみる日常の品々
三 村における金融…一〇五
村における金融の成立 頼母子・無尽 村金貸し付け制度 質屋の拡大
四 正貨と私札…一一三
江戸時代の正貨 松代藩の藩札 善光寺町の町村札 商品札
第九章 水害と諸災害…一二五
第一節 戌の満水とさまざまな水害…一二六
一 寛保二年の戌の満水…一二六
降雨・洪水の状況 千曲川本流域の洪水と被害 松代城下と支流域の水害 犀川・煤鼻川・浅川流域の被害 水害への対応
二 たびかさなる水害…一四三
戌の満水以前のおもな洪水 宝暦・明和・安永期の大洪水 天明・寛政期の御普請所・用水堰被害 文化元年以降の大洪水
第二節 凶作と飢饉…一六二
一 気象災害と山抜け…一六二
風雨・降雹による災害 旱魃 雪害と凍霜害 山中の山抜け
二 江戸期における飢饉…一七四
全国の飢饉状況 長野市域の飢饉
三 市域における天明の飢饉…一八二
天明の浅間大焼け 天明の飢饉状況 村々の対応 松代藩などの対応
四 市域における天保の飢饉…一九六
天保の飢饉状況 村と町の対応 菊屋八田家の施行と飯山米の買いつけ 松代藩と善光寺役所の対応
第三節 善光寺地震…二一四
一 江戸時代における地震…二一四
地震災害とおもな地震 善光寺地震の発生 善光寺町の被害 善光寺町の人的被害 山崩れなどの被害と堰止め湖の崩落 在方と城下町の被害 松代領の人的被害
二 地震後の救済と復旧…二二七
松代領・善光寺領の救済と復旧 用水・農業生産の復旧 善光寺町の復旧 善光寺地震の記録 善光寺地震の供養と石造物
第四節 治水の進展…二四六
一 江戸幕府の治水対策…二四六
洪水の多発と治水 治水の仕方と方法
二 松代藩の治水対策…二四九
洪水と国役普請願い 川除け普請の方法 洪水の増加と水防
第一〇章 民衆信仰のひろがり…二六一
第一節 善光寺信仰…二六二
一 本堂・諸堂の再建と出開帳…二六二
善光寺本堂の再建 三門・経蔵・仁王門などの再建 出開帳と善光寺信仰のひろがり 御回向と大勧進等順の布教 善光寺信仰の出版と文芸
二 善光寺参りの増大…二七七
善光寺道 善光寺講と院坊 旅籠屋と木賃宿 権堂の水茶屋
第二節 戸隠信仰と飯縄信仰…二九三
一 戸隠参詣の増加…二九三
戸隠山神領の山内構成 三院衆徒の推移 御師の活躍と参詣人の増加
二 飯縄信仰…三〇三
飯縄信仰と千日大夫 近世の飯縄神領と飯縄山論 飯縄信仰の衰退
第三節 皆神山修験道と里修験…三一〇
一 皆神山和合院…三一〇
本山派の組織化と皆神山和合院 和合院支配の拡大 和合院と末院の争い
二 里修験…三一八
諸派の里修験 加持祈祷と医療
第四節 村の神々と仏たち…三三〇
一 村と家の神々…三三〇
村の神々 産土社の成立 屋敷神と家の神
二 講の活動と神々の勧請…三四一
御師の巡村と講 伊勢講の維持と代参 神社の造営と新規勧請 式内社と社号昇格 神葬祭
三 寺と堂・庵…三六〇
寺領と寺請制 寺入りと寺の執り成し 村の堂・庵 流行神仏・念仏行者・札所巡り
第一一章 武士・庶民の暮らしと文化…三七九
第一節 松代城下の武士と町民…三八〇
一 武士の暮らし…三八〇
松代藩の年中行事 舞鶴山両宮 家中の相続と格式
二 城下町の生活…三八九
城下町の年中行事 天王祭礼 町の生活の変化
第二節 武士の学芸…四〇九
一 士大夫の学芸…四〇九
京へのあこがれ 信之と連歌 松代藩主の学芸 歴史意識への関心
二 儒学の伝統…四一九
儒書講釈の開始 松代三山 漢詩文と能書家
三 さまざまな芸能・諸芸…四二五
松代の能囃子 謡曲と北信流 松代の雅楽 茶の湯・立花・園芸 松代藩絵師 蹴鞠の流行 囲碁の関山仙太夫
第三節 善光寺町民の暮らしと文化…四三六
一 善光寺と善光寺町年寄役の年中行事…四三六
善光寺の年中行事 善光寺町年寄役の年中行事
二 町民の暮らしと婚礼…四四五
町民の暮らし 町民の婚礼
三 善光寺町の祭礼と町民…四五五
祇園祭 御柱祭
四 善光寺町の文人…四六一
文人墨客の善光寺参詣 『信上当時諸家人名録』に見る文人 塚田大峯と慈延 善光寺境内の碑文 北信濃における出版
五 国学のひろがり…四七二
松代藩の国学 荒木田久老と清水浜臣 国学者岩下桜園
第四節 村人の暮らしと文化…四七七
一 村の男と女の一生…四七七
婚礼と村の女たちの活躍 子どもの出生と成長 余暇を楽しむ村人たち 余興に奔走する若者たち
二 祭りと相撲…四九四
善光寺堂庭で雷電相撲興行 平林若者組奉納相撲 相撲行司木村庄之助 善光寺境内の二十山供養塔 前頭筆頭の君ケ嶽助三郎
三 村の文雅…五〇二
村の生花師匠 村の絵師
四 心学のひろがり…五〇九
心学のひろがり 清水春斎と近藤龍徳
五 和算の発達…五一一
村や町の和算 最上流和算と松代
六 村や町の医療…五一九
病気と民間薬 医薬の普及と神農講仲間 医師の修行と医学輪講
七 地域蘭学の展開…五二五
平賀源内と青山仲庵 在村蘭方医の出現 佐久間象山の科学的研究 村上英俊の仏学 蘭薬治療と顕微鏡
八 俳諧と諸芸…五三二
一八世紀の北信俳壇 文化・文政期の善光寺俳壇 俳諧の大衆化
九 和歌と狂歌…五四四
武人の和歌から庶民へ 狂歌から俳諧歌へ
第五節 寺子屋と文武学校…五五三
一 寺子屋のひろがり…五五三
文書の世界のひろがりと教化施策 寺子屋の増加と師匠 寺子と往来物など
二 文武学校…五六二
文武学校の設立 文武学校の授業とその変遷
第一二章 建築と石造物…五六九
第一節 善光寺の建築…五七〇
一 本堂の再建…五七〇
寛文の如来堂 元禄・宝永再建の出開帳と境内造営 造営前期の人的組織と工事 後期の造営組織と作事
二 本堂の建築…五七八
撞木造り 本営内部の空間構成 本堂の建築様式
三 三門と経蔵・鐘楼・仁王門…五九五
三門の造営 三門の建築 経蔵の建築 鐘楼 仁王門 まぼろしの五重塔
第二節 松代の建築…六〇九
一 真田家の霊屋…六〇九
真田信重霊屋 真田信之霊屋 真田信弘霊屋および表門 長国寺開山堂(真田幸道霊屋)
二 寺院建築と武家屋敷…六一四
大英寺(本堂・表門) 開善寺経蔵 林正寺本堂および表門(旧真田信政霊屋) 旧横田家住宅
第三節 石造物…六二〇
一 市域の石造物の概要…六二〇
年代による造立数の推移 市域の庚申塔 市域の道祖神
二 信仰と石造物…六二六
道祖神の祭り 流行神と石碑 岩船地蔵の流行 徳本行者の六字名号塔
三 石工と石材…六三四
石工 石材
第一三章 支配の動揺と町・村…六三九
第一節 頭立による村落秩序とその変質…六四〇
一 商業的農業の展開…六四〇
『長野県町村誌』からみた四郡の特色 木綿生産の展開と善光寺周辺の木綿布仲間 松代町の木綿仲間 養蚕業の展開 紙生産の展開 蚊帳麻布生産と産物会所
二 松代藩における頭立とその変化…六五四
肝煎から名主へ 頭立の設置とその変化 頭立体制の危機 百姓の階層変化 頭立と小前の対立
三 塩崎知行所枡騒動と善光寺町米騒動…六六三
枡騒動の原因と経過 枡騒動の結末 善光寺町米騒動
第二節 藩政改革と民衆…六七八
一 『日暮硯』の恩田木工像…六七八
『日暮硯』とは 藩内における恩田評価
二 原八郎五郎と足軽騒動…六八五
藩財政の状況 寛保改革と月割り上納制 原八郎五郎の登場 足軽騒動
三 田村半右衛門の政治と民衆…六九七
田村半右衛門の諸政策 田村騒動
四 恩田木工の宝暦改革…七〇一
改革グループの誕生 未進金の処理 月割り上納制の成立過程 肝煎名改称政策
第三節 殖産興業政策と村…七一六
一 蓄積される負担と新しい問題…七一六
難渋村御手入れ 天明の飢饉と松代藩 天明山中騒動
二 糸会所の設置と城下町政策…七二四
幸貫入部時の藩財政 御繰り廻し金 養蚕業の展開と糸市出入り 松代の糸市と糸元師 城下町松代の取り立て 糸会所の成立と挽子の保護・育成 糸会所の金融活動
第四節 文政から嘉永期の松代藩政…七四〇
一 真田幸貫の登場…七四〇
高まる外圧 挙藩軍事体制の構築
二 幸貫の幕政参加と佐久間象山…七四五
幸貫の老中就任 佐久間象山の海防策 象山、吉田松陰の密航事件に連座
三 松代藩の軍備増強策…七五一
幸貫の軍備充実策 松代藩の軍事体制と象山 二つの政治集団と象山
四 新たな殖産興業政策とその破綻…七五七
産物会所の設置 売り捌き所の設置 象山の三ヵ村利用掛就任 沓野騒動の発生 課業銭の新設 嘉永山中騒動
五 幸貫路線の転換…七七二
幸貫・頼母派への批判の表面化
第一四章 幕末動乱と北信濃…七七七
第一節 黒船来航…七七八
一 黒船来航と松代藩…七七八
佐久間象山浦賀へ 御殿山警衛の志願 国元の動向 横浜警衛
二 諸藩の動向…七八九
上田藩の動向 須坂・椎谷・飯山藩の動向
三 庶民と寺社の動向…七九二
松代領村々の夫役負担 寺社の祈祷と梵鐘供出
第二節 開港後の物価騰貴と庶民生活…八〇〇
一 物価の騰貴…八〇〇
横浜開港と物価騰貴 北信諸領の米相場
二 物価騰貴と人びとの生活…八一八
物価騰貴と庶民 諸職人の賃金
第三節 和宮通行と助郷…八三〇
一 和宮の通行…八三〇
和宮の東下 諸藩の分担
二 和宮通行の助郷…八三八
助郷の動員 助郷の難渋
第四節 長州戦争と百姓の負担…八四六
一 長州戦争と松代藩・上田藩…八四六
松代藩と長州出兵 上田藩の左右備え
二 長州戦争による百姓の負担…八五七
上田藩川中島領の調達金 塩崎知行所の負担
第五節 象山・昭道と松代藩の諸改革…八六七
一 佐久間象山と長谷川昭道…八六七
真田幸貫と佐久間象山 長谷川昭道の動向
二 松代藩の諸改革…八七五
幸貫から幸教へ 派閥抗争と改革
三 京都政情と藩論…八八三
佐久間象山の京都での活躍と暗殺 幕末各藩の動き
第六節 民衆の動向…八九〇
一 幕末政情と百姓の負担…八九〇
松代藩の京都警備と夫役 王政復古と松代・須坂藩 幕末諸藩の動向
二 世情の動向…八九八
天変地異 村々の動向 善光寺町の窮迫と震災復興
付録(1) 北信濃の所領分布図 慶応四年…九一三
付録(2) 度量衡・通貨表…九一四
あとがき
近世史専門部会部員・調査執筆員
執筆分担
監修者
刊行委員
編さん準備委員
編さん委員
調査協力員
事務局・編さん室職員