刊行のことば

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長野市長 鷲澤正一

 長野市は、明治三十年に市制を施行し、その後、幾多の変遷を経て、地方中核都市として大きく発展し、平成九年には市制施行百周年を迎えました。

 『長野市誌』の編さん刊行は、この百周年記念事業としておこなわれているものであります。本市の歴史を振りかえり、さらに将来に向かって飛躍するこの時期に、市誌が刊行できますことはたいへん意義深いものがあります。

 この市誌は、めざましい発展をつづけてまいりました本市の史実や人びとの生活のあゆみをとどめ、明日のまちづくりの指針となるよう、自然編、歴史編、旧市町村史編、民俗編、資料編、総集編、歴史編(年表)の構成による全一六巻・一万六千ページにおよぶ本格的な総合市誌であります。

 市誌とともに、重要な百周年記念事業として開催いたしました長野オリンピック・パラリンピック冬季競技大会は、大きな夢と希望と感動を世界へ発信し、成功裏に終了することができ、本市は国際的にも知られる都市に発展しました。この両大会の開催により得られた有形無形の資産を生かしながら、平成十一年には中核市に移行し、新たな一歩をふみだしました。さらに現在、第三次長野市総合計画の目標とする都市像として「五輪の感動を未来ヘ―夢きらめく 交流とやすらぎのまち長野」の実現に向けて大きく飛躍・発展をつづけるよう、努めているところであります。

 いっぽう、時代の状況は、さまざまな市域の変貌を生みだし、市民生活や市政の在り方にも、新たな視点と方策がもとめられています。

 このような時期に刊行されます市誌が、市民の皆様はじめ多くの皆様に読みつがれ活用されて、長野市の発展と地域文化の向上に役立つことを願っております。

 本巻を発刊するに当たり、児玉幸多先生のご監修のもと、調査研究、編集・執筆に当たられた皆様をはじめ、ご尽力・ご協力をいただいたすべての皆様に、心から感謝を申し上げます。

  平成十六年(二〇〇四) 一月十五日