長野市誌全一六巻には、現長野市域を中心とした原始時代から現代にいたる人びとのあゆみをまとめた歴史編七巻が計画されている。そのうちこの第七巻現代では、昭和二十年(一九四五)八月太平洋戦争の敗戦から平成年代にいたる市域の歴史を記述した。
近現代史の史料調査と編集・刊行の計画は、すべて市誌編さん委員会と市誌刊行委員会に付議して進められた。
近現代史の史料調査は、平成二~三年度に長野県史刊行会から、現長野市域の史料写真のネガフィルムを借りうけて紙焼きすることから始められた。つづいて平成三年度以降、執筆者を委嘱して近現代史専門部会が発足し、巻ごとの章・節・項・目とその執筆分担を決め、それにもとづいて近現代史にかかわる史料調査を本格的に始めた。調査は、専門部会による共同調査、部員各自による個別調査、市誌編さん室による調査を組みあわせておこなった。
地元では、旧戸長役場文書、旧町村役場文書、区有文書、小学校所蔵文書、長野市立博物館所蔵・寄託文書、県立歴史館所蔵県行政文書、県立長野図書館所蔵文書・文献、県議会図書館所蔵文書・文献、八十二文化財団所蔵史料の信濃毎日新聞・長野新聞のマイクロフィルム、そのほか多数にわたる個人所蔵文書にわたって調査した。
史料の調査にあたっては、各地区の調査協力員・区長・関係者の助力をいただいた。また県外では、国立国会図書館、国立公文書館および内閣文庫、東京都公文書館、東京大学史料編纂所および明治新聞雑誌文庫、交通博物館などの史料を採訪した。現地での調査では、写真撮影またはコピーを主としておこなった。
原稿執筆にあたっては、毎月一、二回の部会を開き、原稿の検討・修正を重ね、正確で読みやすい書物にすることにつとめた。また、調査史料や図・表および写真の史料性も生かすように工夫した。本巻の刊行にいたるまで、調査や史料提供に快く応じてくださった史料所蔵機関・団体・個人各位をはじめ、多数の方がたに多大の協力をいただいた。本書の製作にあたっては、東京法令出版株式会社の積極的な協力を受けた。あわせて深く謝意を表する。
長野市誌は、市制施行百周年にあたる平成九年(一九九七)に最初の四巻を発刊し、今年度で本巻をふくめ一四巻の発刊となり、以後平成十六年度までに残り二巻を発刊する予定である。この大きな修史事業の所期の目的が達せられるよう、ひろく市民各位のご理解ご協力を切にお願い申しあげるしだいである。
平成十六年(二〇〇四)一月十五日